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老いてなお -Five sea breams and old woman-
お年寄りが苦手だ。
嫌いなわけではない。
ただ、見ていると切ない気持ちになってしまう。

病院の待合室でつらそうに座っている翁。
手押し車を押しながらとぼとぼと歩く嫗。
生気なくベンチに腰掛けてバスを待つ翁。
膝下ストッキングを履く対面に座った嫗。

何故だろう? とても遣りきれない気持ちを感じてしまう。

特に苦手なのが商店を営むお年寄り。
洋服屋が多い気もするが、乾物屋だったり靴屋だったりと色色ある。

彼らのお店は、その大概が寂れている。
誰が買うのか疑問に感じる商品が並べられ、
誰もいない店の奥に、ぽつねんと座る老婆が独り。

要らぬ世話なのは百も承知だが、実際心配してしまう。
NHKラジオを聴きながら、一日中座りっぱなしの彼女を想像してしまう。
朝は自慢の漬物、昼は冷麦、晩はお茶漬け。そんな侘しい食卓を勝手に思い描いてしまう。

むろん、商売として成り立っているのかも疑問だ。
果たしてあれだけで生活していけるのだろうか?

休日。
朝からパチンコにでも行こうかと通る近所の商店街。
いつも気になるお店が一軒。

魚屋。
3.5畳ほどの店構えに老婆が独り。
陳列棚には、丸焼きにされた小振りな鯛が5尾

いつ通っても同じ品揃え。

鯛。

5尾。

お婆ちゃん。


心配で堪らない。果たして鯛は売れてるのだろうか?
なので、勝ったら買って帰ろうと心に誓いながら店の前を通り過ぎる。

が、負けることの方が多かったりする。
しかも負けると気が立っているので、その店のことも忘れてしまう。

勝つときもある。
閉店まで粘っての大勝である。
これで鯛が買えると意気揚々と家路をたどる。
どれだけ鯛が残っていようとも、全て買い上げられるぞ!




閉店している。



まあ、そんなもんだね……。
| B.T. | 雑文 | 22:08 | comments(5) | trackbacks(0) |