2005.08.29 Monday
銀河英雄鬼ごっこ -Refuse tag-
銀河英雄伝説〈VOL.20〉落日篇(下) 以前にシルフさんから薦められた小説、『銀河英雄伝説』をやっとこさ読み終えた。やっとこさと書いたのは別に悪い理由からではなく、作品が全20巻にも及ぶ為、単に読了まで時間がかかっちゃったって事です。 なんか初っ端から言い訳くさいな。 さて、この作品がどんなものなのか、例によって第一巻の巻末から引用すると。 宇宙暦八世紀末、銀河帝国と自由惑星同盟とにわかれ、ながい抗争をくりひろげてきた人類の歴史は、ふたりの天才の出現によって、おおきな転機を迎えようとしていた。覇権をめざす若き獅子、帝国軍上級大将ラインハルト。そして同盟軍においては一介の青年士官に過がなかったヤン―帝国軍遠征隊を同盟側が迎え撃った「アスターテ会戦」こそが、彼らの初めての邂逅であり、宿命の戦いの幕開けであった。 と言う感じです。(超手抜き) で、この後は二人の天才がそれぞれの智謀を尽くし合い、互いの勢力の存亡を賭けて戦っていくわけですが、これら両勢力の間に、帝国主権下にありながら自治権を持ち、同盟との外交・通商を許されたフェザーン自治領が加わることで、さながら宇宙三国志の様相を呈してゆきます。 三国志同様、各勢力の主要人物達には、主人公であるラインハルト、ヤンの二人を筆頭に、多くの個性的で魅力あふれるキャラクターが登場し、読者を夢中にさせます。 また、この小説の真骨頂を発揮するのが宇宙空間における艦隊による戦闘シーン。戦略・戦術における両者の駆け引きが、戦国時代の合戦を髣髴させ、諸葛孔明や真田幸村などの軍師好きな私には堪りません。 特筆すべきは作者、田中 芳樹の圧倒的な描写力。 迫力ある戦闘は勿論のこと、登場人物の心理や難解な近未来的イメージも、驚くほどすんなりと受け入れられます。 難点を挙げるとすれば、全体を俯瞰した際に見えてくる粗でしょうか。政治・経済的な記述が少なく、やや説得力に欠ける部分がありました。少し風呂敷を拡げすぎた観があり、終盤で収拾がつかなくなったところも…… しかしこれは連載物の悲しい現実であり、それを補って余りある面白さが本作品にはあったと思います。 さてさて、以上で『銀河英雄伝説』の感想は終わりです。 次に、本日読了した小説『リアル鬼ごっこ』の感想を書きたいと思います。ただし、こちらの作品は前者とは異なり酷評になりますので、記事を分割することに致します。 この作品及び作者の山田悠介氏がお好きな方は、不快になるかも知れませんので、極力読むのはお控え下さい。 |